住宅ローンや金利などを調べていると返済方法には2つあることが書かれていることが多く、住宅ローンの返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
「元利均等返済」と「元金均等返済」は、文字だけであれば似ていますが、全く違う返済方法になります。
今回は「元利均等返済」と「元金均等返済」の違い、メリット・デメリット、実際の計算例を使って解説します!
画像はlive’sさんより引用しています
元利均等返済の仕組み
元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)が一定金額となる返済方法で、元金均等返済方法よりも一般的な返済方法です。
固定金利であれば返済額は変わらず、固定金利期間選択型であれば、固定金利期間中は月々の返済額が変わりません。
住宅ローンを組んだ時に「いくら払っていかなければいけないのか」の返済計画も立てやすい特徴があります。
元利均等返済のメリット
- 毎月の返済額が一定なので返済計画が立てやすい
- 元金均等返済に比べ、当初の返済負担額が大きくならない。
- ほとんどの金融機関で取り扱っている
元利均等返済のデメリット
- 同じ返済期間であれば、元金均等返済よりも総返済額が多くなる。
- 元金均等返済に比べ、返済開始当初における融資残高の減り方が遅い。
元金均等返済の仕組み
元金均等返済は、毎月一定の元金に、残元金に対しての利息額を上乗せして支払う返済方法です。
利息額額は返済が進むにつれて少なくなっていくので毎月の返済額(元金+利息)も次第に少なくなっていきます。
また、当初から元金返済分が比較的多いため、元金均等返済に比べると残元金の減り方が早く、支払う利息額も元利均等返済よりも少なくなります。
元金均等返済のメリット
- 毎月の返済額(元金+利息)は返済が進むほど少なくなり、将来の負担が軽くなります。
- 同じ返済期間であれば、元利均等返済よりも総返済総額が少なくなる。
- 元利均等返済に比べ、返済開始当初における融資残額高の減りが早い。
元金均等返済のデメリット
- 元利均等返済に比べ、当初の返済負担が重い。
- 元利均等返済に比べ、借入可能額が少なくなる。
- すべての金融機関で取り扱われているわけではない。
将来の返済額が少なくて住むので、将来は教育費負担が重くなる等の理由で、早いうちに返済を多くしておきたいという場合などには、元金均等返済がおすすめです。
元利均等返済と元金均等返済どっちがお得か計算してみよう!
- 借入金額3000万円
- 金利3.5%(約10年前の金利)
- 返済期間35年
この条件で「元利均等返済」と「元金均等返済」でどう変わるのか計算してみます。
元利均等返済 返済総額 約4,850万円
回数 | 元金 | 利息 | 毎月返済額 | 融資残額30,000,000 |
1 | 47,213 | 87,500 | 134,713 | 29,952,787 |
2 | 47,351 | 87,362 | 134,713 | 29,905,436 |
3 | 47,489 | 87,224 | 134,713 | 29,857,947 |
4 | 47,628 | 87,085 | 134,713 | 29,810,319 |
5 | 47,767 | 86,946 | 134,713 | 29,762,552 |
6 | 47,906 | 86,807 | 134,713 | 29,714,646 |
7回目~354回目まで省略 | ||||
355 | 132,380 | 2,333 | 134,713 | 667,672 |
356 | 132,766 | 1,947 | 134,713 | 534,906 |
357 | 133,153 | 1,560 | 134,713 | 401,753 |
358 | 133,542 | 1,171 | 134,713 | 268,211 |
359 | 133,931 | 782 | 134,713 | 134,280 |
360 | 134,280 | 391 | 134,671 | 0 |
元金均等返済 返済総額 約4,579万円
回数 | 元金 | 利息 | 毎月返済額 | 融資残額30,000,000 |
1 | 83,333 | 87,500 | 170,833 | 29,916,667 |
2 | 83,333 | 87,256 | 170,589 | 29,833,334 |
3 | 83,333 | 87,013 | 170,346 | 29,750,001 |
4 | 83,333 | 86,770 | 170,103 | 29,666,668 |
5 | 83,333 | 86,527 | 169,860 | 29,583,335 |
6 | 83,333 | 86,284 | 169,617 | 29,500,002 |
7回目~354回目まで省略 | ||||
355 | 83,333 | 1,458 | 84,791 | 416,785 |
356 | 83,333 | 1,215 | 84,548 | 333,452 |
357 | 83,333 | 972 | 84,305 | 250,119 |
358 | 83,333 | 729 | 84,062 | 166,786 |
359 | 83,333 | 486 | 83,819 | 83,453 |
360 | 83,333 | 243 | 83,696 | 0 |
数字上では約271万円、元金均等返済の方がお得だけど…
元金均等返済の方が支払総額が少なく良いと思う方も多いかもしれないが、返済可能か、家計が苦しくなるなど無理をしてはダメ。
住宅ローンは長く返済していくものなので無理をして返済できなくなっては本末転倒です。
豆知識
無理したくないけど早く返済していきたいという方もいるのでちょっとした考え方を解説します。
初回返済額が高くなるために、元金均等返済を選ぶことが難しい場合、元利均等返済で35年ではなく30年など返済期間を短くすることも検討してもいいかもしれません。
35年で払うよりも返済総額を抑えることもできます。
あとは、無理せず35年で組んで「繰り上げ返済」などをしていく方法もあります。
違いを分かっていただけたでしょうか。
「元利均等返済」と「元金均等返済」という言葉を見かけたらなんとなく考えてみてください!